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『世界を騙しつづける科学者たち 』

#1710 #1714

タイトルだけ見ると科学批判のトンデモ本みたいだけど、内容は真逆。

 

科学者からの報告から明らかなことに対し、非論理的に荒さがしをして場を乱す一部の科学者を批判する本。

序章より

自然界の真実を明らかにすることに身を捧げた科学者がなぜ、仲間の科学者の研究について間違ったことを故意に伝えたりするのだろうか。<中略>私たちがこの本で取り上げるのは、そういう物語だ。科学的な証拠と戦い、我々の時代が抱える最も重要な問題の多くについて混乱をまき散らした、科学者のグループについての物語。それは現在も続くパターンについての物語でもある。

原題の「疑惑の商人」の方が内容をよく表している。

 

喫煙の害・酸性雨・オゾンホールなどのテーマは、その問題に対処するためには企業側に損害が出るケースがある。このため、問題が不確定な状況で安易に規制を作れない政治家の立場もわかるし、その立場を維持するための科学アドバイザーが必要なことも理解できる。実際、似非情報で変な規制つくられるのもマズい。

でも、明らかな科学報告があるなら、いくら経済的な損失が出ようがそれを無視するのは科学者としてあまりにひどい。さらに言えば、短期的な経済損失を抑止するために長期的な人体への害や地球環境の悪化による損失を無視するのはいかがなものか。

 

一般人からすれば、批判している側も科学者という肩書きなので信用してしまう。さらにまずいことに、現状維持バイアスのせいで批判している側の肩を持ちたくなる心理も働く。

特に最新の研究の場合は一般人にとって複雑かつ今後の研究が必要な不確定要素もあり、一般人向けにわかりやすく説明ができる人が少ない印象。感情的でストレートに言い切る批判の方がわかりやすく、広まりやすい。

もちろんこのケースでは批判する方が悪いが、情報の受け手の科学リテラシー向上と、最新の科学をわかりやすく説明できる人材の必要性も感じる。